2005年5月27日(金)21:44

シュレーダー首相はフランス国民にEU憲法賛成を要請

トゥールーズ/リール(AFP)

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)とスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ首相は、フランス国民に対し、熱のこもった口調でEU憲法を承認するよう呼び掛けた。フランス国民は日曜日の国民投票で憲法条約を「心の底から、また冷静な理性をもって」賛成しなくてはならない、とシュレーダー首相は南フランスのトゥールーズでおよそ700人の社会党の支持者を前に語った。同じ頃サパテーロ首相も北フランスのリールでEU憲法への支持を訴えた。

「私たちは互いを必要としており、憲法は私たちを互いに結びつけてくれる。これまで過去になかったほど強く」とシュレーダー首相は語った。首相は憲法を支持するようフランス国民に「切に」要請した。「少なからぬ人々が命を落とした」統一欧州という理念は、この数十年にわたって「持ちこたえた」。「私たちの前の世代では夢にも思わなかったことが、今では現実となっている」。EUの外交安全保障政策は憲法という基盤の上に「一歩一歩築いて」行かねばならない。フランスとドイツは「欧州統合のあらゆる重要問題で先駆者」を務めてきた。両国は今回もまた先駆者となるのだ」、と首相は呼び掛けた。

シュレーダー首相をトゥールーズで迎えたフランスのドミニク・ストロースカーン元経済・財政相は、憲法反対派の勝利を予測する最新の各種世論調査を踏まえ、「反対が勝つとの予測が私たちに伝えられている。しかしフランス国民は世論調査で決定を行うのではない」と呼び掛けた。

ストロースカーン元経済・財政相とシュレーダー首相は、来年以降定期航路でアメリカのボーイング・ジャンボジェットを追い越す予定の新型エアバスA380の完成を、欧州統合の成果として称賛した。欧州数ヶ国が共同で製造に当たったこの飛行機はトゥールーズで最終の組み立てが行われた。

最新の各種世論調査ではフランス国民の52パーセントから54パーセントが反対票を投じる意向を表明している。野党社会党の支持者の票が国民投票の行方を左右すると見られている。社会党は昨年12月に党員投票を行い、賛成多数でEU憲法支持を決定したものの、支持者の多数は憲法に反対する構えである。シラク大統領の保守政権の政策に対する不満からEU憲法に反対している国民も多い。

原題:Schroeder bittet Franzosen um Ja zur EU-Verfassung




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